市議会平成24年9月定例会・その2
皆様こんにちは、藤井盛光です。
長岡市議会9月定例会が閉会いたしました。
今定例会では瓦礫の試験焼却のための補正予算案が議案となりました。
長岡市ではすでに3月議会の決議により、瓦礫受け入れの下地は完成しています。ですが、市執行部が唐突に表明した「処分を栃尾地域のみで行う」という方針に対し、栃尾地域にお住まいの方の反発が大変大きくなっています。
私も3月には「積極的に瓦礫受け入れを推進すべし」と意見主張し、決議に賛成票を投じましたが、処分は市内各地域で分散して行うべきだと考えておりました。このたびの処理方法の決定は市執行部の内部で進められ、多くの議員には何も諮られておりません。
旧栃尾市を始めとした合併地域では住民感情も複雑で、市の一体感の醸成途上にあるわけですが、そんな中で瓦礫を押し付けたら反発があるに決まっています。議会との意思の疎通も地元住民との意見交換も無く、栃尾のみで処理を行う前提の補正予算案に対し、ハイそうですかと賛成することは出来ません。
今回の補正予算案には反対しようと準備していましたが、「市民への十分な説明と理解を得ることを前提に執行することを強く求める」という付帯決議案が関貴志議員を中心に纏められました。
私の本意は先にも述べたように栃尾限定での処理ではありませんが、「栃尾住民の理解を得ることを前提」とするなら賛成も吝かではないと思い、採決前討論を行いました。
まず、私は今回の受け入れ瓦礫は政治判断として「安全」と言い切って良いものであると信じています。そもそも大槌町の瓦礫は放射性廃棄物ではありません。安全なのに騒ぎが起こるのはおかしな話です。この点は丁寧に説明を続け、市民の理解を得る必要がありますし、反原発運動とごちゃまぜにして市民を煽る連中に毅然と対峙してゆく必要があります。
次に、非合理的な瓦礫受け入れを何故行なっているかといえば、それは「ご恩返し」「絆」という感情論に依るものです。であるならば最後まで感情論を大事にし、栃尾地域の方々との絆も大事にするべきであると主張し、市執行部にその旨を要望いたしました。
結局、付帯決議を付された補正予算案は全会一致(退席者有り)で採決されました。今後の市執行部の丁寧な栃尾地域の方々との意見交換に期待致します。
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と他人事のようにしているのも議決を行った者として不誠実だと思いましたので、議会閉会後、翌日行われた現地説明会に参加し現地の方々の意見を伺って参りました。当日は私の他に高見美香議員、広井晃議員、関貴志議員、諸橋虎雄議員が参加されていました。
元・柏崎刈羽放射線監視センター長の中山久雄先生を講師として招聘し、理論的な側面からこれ以上ないぐらい丁寧に安全である旨の説明をして頂きました。が。
「そんな難しいこと俺はわからん!」
「安全ならなんで栃尾だけなんだ!」
「風評被害が出たらどうしてくれるんだ!」
「そうだそうだ!絶対反対!」
と、少々ヒートアップする局面もありました。
私も住民側に座っておりましたが、役目上の立場としては市執行部側ですので、大変心苦しく思いました。
磯田副市長はじめ市執行部の説明は、
①そもそも瓦礫は安全であるから地域の方々の健康に全く影響はない。
②しかし風評被害は外的要因であるからそれを完全に封じるためにも、屋根付きで水分内部循環型の施設がある栃尾での処分が必要だ。
というものでしたが、この「理屈」には私も納得致します。
今後現地の方々の気持ちをどう汲み取って、合意に漕ぎ着けるか。
その為には丁寧な意見交換とともに、万が一、風評被害が出たと思われる際に補償する旨の確約と、万人が納得の行く査定方法の準備、及び財源を国に求める働きかけが必要です。
しかし、国を当てにするばかりではなく、可能性としてはどれぐらいの損害補填が起こりうるのか、市だけでそれを賄わざるを得なくなった場合どうするか、例えば条例による市特例債発行での補填など、常に最悪の状況を想定してことに臨むべきだと思います。
余談ですが「道は開ける」という名著には「常に起こりうる最悪の事態を想定せよ」とあります。この感覚は政治家に必須のものであろうと私は思います。
栃尾の皆様とWin-Winの関係を構築し、市の一体感を醸成できるよう、私も微力ですが尽力して参ります。
以上
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