第二章 (メンバー選考)
翌日から、本人達の預かり知らないところでメンバーの選考が始まった。そして、事前に示されていた条件や、今までの政治姿勢、政治信条、政治信念等をパソコンや出版物、国会での質疑、法案への賛否に関する対応等本人に会わずとも知り得る限りのデーターが集められ入念にチェックされた。
隅田は社長として忙しい自分に代わって情報収集からデータのチェックなどを専任で担当してくれる腹心の部下として、社長秘書室長の橘隆史をあてていた。そして、毎日すり合わせの時間を取っていた。
「社長、この落選中ですが、村上真一氏を衆議院議員としてもう一度、カムバックさせられないものでしょうか?」
「ああ、彼か?衆議院議員では難しいだろうな。前回の選挙では、トップと二倍以上の票差だから、完全に支持基盤を失ってしまった格好だろ。有り得るとしたら比例枠で当選させるしか手はないな。」
「そうですか、残念ですね。拉致問題を臆することなく堂々と質問したのは、あの人が初めてでしたし、尖閣の問題だって彼は灯台を建てに行ったりしてマスコミに話題を提供する事で尖閣諸島の実態を我々に教えてくれました。」
「確かに、今までの彼の行動は一見突飛な行動に見えるが、拉致問題のように後にメインテーマになる問題を先取りしている事は確かだ。私も、彼が現職議員だったら今、国会で何を質問するだろうと興味はある。」
「そうですよね、拉致も尖閣も予言していたようなものですから、今なら、彼の持論であった核武装?」
「おいおいこの時期に核武装論は不味いだろいくらなんでも。」
「そうですね、ただただ周辺国を刺激するだけですね。」
「でも、あの人の事だから、中国にいいようにやられていることに腹を立て、だから核武装しろ!と言っていたんだとマスコミに向かって言うくらいのことは、しているかも知れない」
「これだけ政府の弱腰を見せつけられると、ひとり位それくらいの勇ましい人が欲しくなりますよね。」
「おい、橘。この新しく立ち挙げる政党の党首は平岩俊介だよな。それとも安藤公三?」
「どちらにしても、新鮮味に欠けるのと真正保守を標榜するとなるとタカ派のイメージが先行して、女性票の獲得が難しそうですね。」
「私もそう思う、前回の政権交代では女性票を多く取り込んだ現政権が、政権交代を果たした訳だから、女性票をどう取り込むか秘策を練らないと政権の奪取は無理かも・・・」
to be continued...
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